【財政破綻しない?】公務員へ転職するなら裕福な自治体を選ぶのもあり

こんにちは。コボ(@kobo_blog)です。

 

受験する自治体選びの参考情報がほしい
せっかくなら財政基盤がしっかりしてる自治体で働きたい
裕福な自治体を知りたいときはどうすればいい?

 

公務員を目指すの中には、「せっかく働くなら財政基盤がしっかりした自治体で働きたい」という方もいるのではないでしょうか。

安定を求めて公務員になったのに、財政が苦しく最悪の場合、財政破綻などしてしまっては本末転倒になります。

 

そこで本記事では、財政指標から裕福な自治体を調べる方法について解説していきます。

今回は、現時点で数字上、財政破綻する可能性が限りなく低い自治体なども紹介します。

 

私自身は公務員時は財政課配属であり、その経験をもとに書いています。

自身が希望する自治体の状況を少しでも詳しく知るための情報にもなりますので、公務員を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

裕福な自治体の定義は?

まずは『裕福な自治体とは何か』という点について、本記事での定義は以下のとおりです。

 

地方交付税の不交付団体である

これだけでは何か分からないと思いますので解説していきます。

 

ざっくり説明すると地方交付税とは、自治体に足りていないお金を国が補填してくれるものになります。

これを図に表すと下のようになります。

 

図でも聞きなれない語句があると思いますが、それぞれの意味はこちらです。

①基準財政収入額:自治体の収入として見込まれる地方税の金額

②基準財政需要額:自治体の人口規模や施設などから算出した行政運営に必要な金額見込

 

裕福な団体は下の図のように①>②となるので、自治体に入る税収だけで行政運営できる形になるわけです。

このように今回は国からの交付税を受け取っていない自治体を裕福な自治体として考えていきます。

コボ
厳密にはもっと細かい計算がありますが、分かりやすさのためそこは省略します

 

裕福度(財政力)を表す指標

自治体の裕福度は「財政力」に繋がりますが、それを表す指標があります。

それは「財政力指数」というもので、下の計算式で表されます。

この財政力指数の数値では、自治体だけの収入で行政運営が可能かが分かります。

 

財政力ある自治体は、収入の方が上回りますので、この財政力指数が「1以上」になります。

一方、多くの自治体では、国から補填されないと行政運営に支障をきたすとされ、普通交付税という補填を受けます。

つまり図にあるように財政力指数が「1未満」となります。

この財政力指数は毎年全自治体が算出するものですので、ぜひ受験希望の自治体について調べてみましょう。

 

財政力指数のランキング

裕福な団体は「財政力指数が高い」ということが少しでもお分かりいただけたかと思います。

 

そこで、全国の財政力指数が高い自治体を紹介します。

今回紹介するのは令和元年度の実績を使用しトップ10の自治体になります。

 令和元年度 財政力指数ランキング

自治体名 財政力指数
愛知県飛島村 2.21
青森県六ケ所村 1.81
福島県大熊町 1.67
長野県軽井沢町 1.66
北海道泊村 1.63
大阪府田尻町 1.58
千葉県浦安市 1.52
東京都武蔵野市  1.52
愛知県豊田市 1.47
愛知県みよし市 1.47

参考:総務省 地方公共団体の主要財政指標一覧

 

なんとなく裕福な理由が分かる自治体もあるのではないでしょうか?

一方でなぜ財政力が高いかイメージが湧かない自治体もあるかと思います。

 

税収確保できる自治体は強い

財政力が高いということは自治体に入る税収が高いことになります。

法人税をたくさん払ってくれる企業があったり、企業の工場があり固定資産税の収入が大きいと地方税も潤沢になるので、国からの補填なしで行政運営できるわけです。

 

例えば上記で紹介したランキングトップの「愛知県飛島村」は、小さい自治体ながら企業の物流拠点となっており、大手企業が進出したことで大きな税収が入る状況になっています。

財政力指数が高い飛島村は、中学生のアメリカ派遣や、100歳を迎えた高齢者にお祝い金100万円贈呈など、他自治体では真似できない施策を行っております。

 

また、別荘地として有名な軽井沢町は固定資産税の税収割合が高く、安定した財政運営ができる自治体となっています。

このように、何かしらずば抜けた税収入がある自治体は、財政的にも強く裕福な自治体となっています。

 

職員の待遇に影響する?

公務員を目指す方が気になるのは、自治体の財政力が職員の待遇に影響するかという点ではないでしょうか?

 

結論としては「他の自治体と相当な年収差がつくことはない」といえます。

ボーナス(期末・勤勉手当)については、国の月数に合わせることも多いですし退職金の掛け率も変わりません。

 

ただし、初任給や棒給表、管理職手当の金額などに差がつくことで、年収に差が出てくることはあります。

 

実際に飛島村の公表されている資料を見てみましょう。

引用:飛島村 ホームページ

 

平均年齢を考えると平均給料は若干高い傾向がありますが、類似団体とそこまで大きな差になっていません。

一方で平均給与では差が大きくなっていますので、何らかの手当(管理職手当など)の金額が多い可能性はあります。

 

コボ
ただ、民間企業のように業績によって年収が大きく変わることはありません

 

財政力あり裕福な自治体の場合、劇的に年収が高いわけではありませんが、手当などで恩恵を受けることができる可能性があるということになります。

 

財政破綻の可能性は低い

財政力によって、職員給与に直接的に大きな影響があるわけではありませんが、自治体全体として、「財政破綻」するような可能性は限りなく低いことになります。

北海道夕張市が有名ですが、財政破綻が近づくと行政運営もままならず、職員給与も減少してしまう可能性が高いです。

 

今回ランキングで紹介した自治体については、よほど大きな変化がない限り財政基盤は安定しているため、職員として働く場合も安心感が持てます。

公務員を目指す方は、受験する自治体の財政状況を調べてみるのも良いかもしれません。

 

財政力を知ると公務員試験にも役立つ?

自治体の財政について調べておくと公務員試験でも役立つ時があります。

特に論文試験や面接試験で、自分の考えを回答するときの知識として持っておくと便利です。

 

自治体は財政に関する資料を必ず公表しています。

≫≫【必読】公務員試験対策のために読むべき資料はこの3つの記事で参考にすべき資料を紹介していますのでぜひ合わせてご覧ください。

 

もし、自治体財政のことを少しでも学習してから試験に臨みたいという方は『一番やさしい自治体財政の本』がおすすめです。

どの部署で働くにも持っていて損しない基礎的な知識ですのでこちらも参考にしてみてください。

まとめ

今回は裕福な自治体とはどのような自治体を指すか紹介してきました。

せっかく働くなら財政基盤が安定していて、さまざまな取組を実行できそうな自治体を受験してみることも検討する価値はあります。

また、財政破綻の可能性が低いという安心感もあります。

 

改めて裕福な自治体とはどのような点を見れば良いかまとめます。

裕福な自治体の定義

国からお金の補填がされていない自治体である
 =地方交付税をもらっていない自治体

 

財政力を示す指標

自治体の「財政力指数」を見てみましょう
⇒財政力指数が1を超えていると、地方交付税をもらっていなく財政力があるといえます

 

もしお読みいただき自治体の財政担当として働いてみたいと思った方は、≫≫【出世コース?】地方公務員の財政課の仕事を解説【残業地獄】 の記事もぜひご覧ください。

私が財政課勤務だった経験をもとにした記事となっています。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。

 


 公務員を目指す方におすすめの予備校・講座
▶ スタディング | 圧倒的コスパのオンライン講座
※完全オンライン型で時間や場所を問わず学習できます。充実した内容が驚きの価格で手に入ります。

▶ 資格の大原 | 圧倒的な合格数を誇る大手予備校
※通学型・通信型ともに充実したサポートを受けながら学習できます。

▶ クレアール | Web通信特化型で社会人におすすめ
※音声データや資料PDFがダウンロード可能。通勤中などの時間を活用できます。

▶ LEC東京リーガルマインド | 上位合格者多数の大手予備校
※通信生も利用できる担任講師制度で個別サポートが受けられます。
 

最新情報はこちら